Clásicos japoneses con furigana
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ぼんじんでん
凡人伝
佐々木 邦
Lee 凡人伝 (ぼんじんでん) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 98.944 caracteres · 202 pantallas
生活難
「なければ明日にも手放せます。こんな心配は致しませんよ」
「それではお言葉に従いましょう」
「お考え下さるか?」
「操さんを戴きます。あなたの迷信の為めでなく、操さんの為めに操さんを戴きます」
と私は即座に決心した。前途遼遠どころでない。戦争の話を聴きに行って、縁談を定めて帰った。
生活難
私は前途遼遠どころでなかった。話の始まったのが九月末、一月間を置いて、十一月三日天長節の佳辰に結婚してしまった。
「年を越せば二十で、操は命が危いんです」
と老河原さんが目の色を変えて急き立てるから仕方がない。斯う書くと、厭なものを無理に押しつけられたように取れるが、決して然うではなかった。先学期七十点だった操さんの評点が暑中休暇中八十点に改まり、九月帰任してから、九十点から九十五点に上っていたのである。これは妻が読むといけないから、特に認めて置く。十人の子持でいながら、時代思潮にかぶれて、未だに夫婦愛なぞということを口やかましく説く。
窃かに念がけていたところだったから、私も手っ取り早かった。話の始まった翌日、同僚中で一番懇意の柴田君を訪れて仲人を頼むと共に、もう一方郷里の両親へ手紙を書いて許可を求めた。