Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lee 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 120.290 caracteres · 239 pantallas

Aozora Bunko

あの爺さんは、一体ここへ何をしに来たんだ。お悔みでも云いに来たんですか」

絶望の極、桜井氏の八ツ当りであった。

「僕にもそれがよく分らないのです。なにしろ有名な奇人ですから……」

守さえも、老探偵を弁護する勇気はないように見えた。

丁度その時、入口のドアが開いて、印半纒の三笠探偵がヒョッコリ入って来た。見ると、パンツの膝の所が、泥にまみれた様に汚れている。右手の甲に掻き傷が出来て、ひどく血が流れている。

「あれは品子さんの飼猫ですかい。ひどくやられましたわい。捕えようとすると、いきなりここを引掻きおった。じゃが、まんまと虜にしてしまいましたがね。ハハハ……」

愈々気違いの沙汰である。この危急の場合、この悲歎のさ中に、老探偵は猫をからかって遊んでいたのであろうか。

「三笠さん、マア御掛けなさい。一つあなたの御意見を伺いたいものですね。猫のことではなく、娘を救う手段についてですよ」

桜井氏が激怒を圧えて、皮肉たっぷりに云った。

「承われば、あなた様は、白髪首をかけても、賊を捕えて見せるとおっしゃいましたそうですね。その御約束は一体どうなったのでございましょうか」