Clásicos japoneses con furigana
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lee 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 120.290 caracteres · 239 pantallas
「ホホウ、三笠龍介。僕がその三笠龍介だとでも云うのかね」
それを聞くと、守はギョッとして、腰を浮かさないではいられなかった。
(この親爺が気違いか、でなければ、俺の方が気違いなんだ。それとも俺は夢を見ているのじゃないかしら)
「僕は三笠先生をお訪ねしたのです」
「ホウ、そうかね」
「じゃ、あなたは、この家の御主人じゃなかったのですか」
「マア、主人みたいなもんだ」
老人は鬚の中から、ニヤニヤ笑っている。
「それなら、三笠先生でしょう」
「そう見えるかね」
「エ、何ですって?」
「そう見えるかと聞いたのさ。俺も変装がうまくなったものだなあ。ハハハハハハ……」
守はピョコンと立上って、椅子を小盾に取って身構えながら、えたいの知れぬ相手を睨みつけた。
「君は誰だ。なんだって、こんないたずらをするのだ」
老人は腰かけたまま、平気でニヤニヤ笑っている。
「いたずら? フフフ、いたずらよりゃ少し気の利いたことだよ。酔狂にこんな下らない変装なんぞするものか」
「じゃ、なぜだ。なぜそんなことをして僕をだましたのだ」
「君を虜にする為にさ。君は三笠の親爺の次に、俺達には邪魔っけな人間だからね」