Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lee 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 201.379 caracteres · 394 pantallas

Aozora Bunko

「そのあとは聞くまでもなし」

「いいから注いでくれ」

鬼ころしと呼ぶ酒は、土地によっていろいろ違うらしい。ここでは焼酎の強いので、アルコール分が六十度もある、と屋台のおやじが自慢していた。

アルコール分六十度なら、ほかにもっと強い酒があるだろう。しかし、その鬼ころしはどういうわけか効きめが強く、酎のコップに二杯ぐらいまではなんということもない、舌ざわりも匂いもふつうの酎とさして変らないが、三杯めを飲み終るころになると、たいていな豪傑でもがっくりとやられる。優秀な狙撃兵に射たれでもしたように、突然がくっとなり、しばしば地面にぶっ倒れる者もある。

増田は倒れるような初心者ではなかったが、それでも効きめのあらたかさには勝てず、その店を出たときには足もとがふらふらしていた。

「疲れてるから毒だって、べらぼうめ、誰だと思ってるんだ」あるきながら増田は云った、「昨日や今日飲みはじめた酒じゃあねえんだ、ふざけるな」

「わかったよ、親方」と誰かが云った、「親方の云うことは尤もだ、おらあ一言もねえがね、うちにゃあかかあとがきが待ってるんだ」

「待たせとけよ、かかあやがきは逃げやしねえや、おめえ、――おんやこの野郎、初つぁんだと思ったらそうじゃねえな」