Clásicos japoneses con furigana
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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
Lee 安吾の新日本地理 (あんごのしんにほんちり) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 24.085 caracteres · 48 pantallas
完全に処理を終った肉がまずくないことは私が証明しておこう。知らない人は牛肉だと思って食べてしまう。しかし私もミンクの口からもれてきた臭気をかいだあとでは、クジラの肉に箸をだす勇気はなかったろう。先に御馳走になって幸せだった。
クジラといえば南氷洋と考え、近海捕鯨などはすでに絶滅に瀕しつつあるもののように考えていたが、必ずしも、そうではないのだね。亡びつつありと云えば、全世界のクジラが亡びつつあるのだろう。特に日本の近海捕鯨はその主たるクジラがマッコー鯨であるために、重大性をもつもののようだ。捕鯨業というものは往昔はセミクジラが主であったがマッコーの発見によって一大飛躍をとげたもののようだ。マッコーの油は良質であるばかりでなく、セミクジラの三倍もとれるし、何よりもマッコー鯨に限って群をなして泳いでいるので、大量捕獲に便利だそうだ。日本近海にはこのマッコー鯨が多いのである。
リューゼン香というものも、このマッコー鯨の体内に限って存在するのだそうだが、この物自体が天下名題の名香かと思ったら、そうではないそうだね。それ自体は悪臭の強いものだそうだ。これに香料をしみこませると発散せずにいつまでも香気を保つ作用があるのだそうだ。