Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lee 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 350.912 caracteres · 702 pantallas

Aozora Bunko

四

――ところが彼にとって、そうしていられない椿事がわき上がって来たのだった。

四

それというのは、西裏御門の内にある大きな槐の木が、紅葉山御文庫の書庫を建てる都合で、ほかへ移し植えられることになったことである。

井戸掘り人足のたくさんはいっている吹上の作事場とそことは、だいぶ離れているが、槐の木の下には、かねて奈良井の大蔵が手をまわして、鉄砲を地下に埋けてあるということを又八は承知していたので、始終、そこには、人知れず注意を払っていたのだった。

で――彼は、飯休みの暇とか、朝晩の仕事の暇には、西裏御門のそばへ来て、槐の木がまだ掘り返されていないのを見ると、ほっとしていた。

そして、いつか人目のない隙に、その木の下を掘って、鉄砲を他へ捨ててしまおうと考え、ひとり苦慮していたのである。

だから彼が、そこで過って大工の曲尺を踏んづけ、大工らの怒りに会って追いまわされた時も、ふくろ叩きよりは、事の発覚がすぐ恐ろしかった。

その恐怖は、その後も去らず、暗い小屋の中で毎日つづいた。

槐の木はもう移し植えられたかもしれない。根を掘れば地下から鉄砲が発見される。当然、取調べが始まる――