Clásicos japoneses con furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lee 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) de 徳冨 蘆花 (とくとみろか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 129.742 caracteres · 256 pantallas
四の三
かく思いてはやる方なくもだえしが、なおやみ難き心より思いつきて、浪子は病の間々に幾を相手にその人の衣を縫い、その好める品をも取りそろえつつ、裂けんとすなる胸の思いの万分一も通えかしと、名をばかくして、はるかに佐世保に送りしなり。
週去り週来たりて、十一月中旬、佐世保の消印ある一通の書は浪子の手に落ちたり。浪子はその書をひしと握りて泣きぬ。
四の三
打ち連れて土曜の夕べより見舞に来し千鶴子と妹駒子は、今朝帰り去りつ。しばしにぎやかなりし家の内また常のさびしきにかえりて、曇りがちなる障子のうち、浪子はひとり床にかけたる亡き母の写真にむかいて坐しぬ。
今日、十一月十九日は亡き母の命日なり。はばかる人もなければ、浪子は手匣より母の写真取り出でて床にかけ、千鶴子が持て来し白菊のやや狂わんとするをその前に手向け、午後には茶など点れて、幾の昔語りに耳傾けしが、今は幾も看護婦も罷りて、浪子はひとり写真の前に残れるなり。
母に別れてすでに十年にあまりぬ。十年の間、浪子は亡き母を忘るるの日なかりき。されど今日このごろはなつかしさの堪え難きまで募りて、事ごとにその母を思えり。