Clásicos japoneses con furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lee 日記 (にっき) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 22.923 caracteres · 46 pantallas
三月十七日
三月十八日
生活はむずかしいものだ。神よ、どうぞ貴方の子等の総てに平安と深く聖き愛とを御恵み下さい。
三月十七日 水
自分が山国に生れた父を持ち、幼年時代を田園に送った故か、一年の四分の一か二は、田舎に暮したい願望を持って居る。恐らく母上などには感じられない心持だろう。或点で云えば田園への郷愁である。いやながら来て見ると、田舎はよい。春がそろそろと萌出して来る自然は美しい。雪を戴いた山々や、もう紫色に霞かけたより低い山々や、しめりけをふくんだ土壌や、雑草の小花や、都会は都会の活動と美と力とを持つ、けれども、此の野は、山々は、而して此等の樹々は、美くしい。二十三四日頃まで居ようとする計画は、決して不快なものではない。
三月十八日 木
二三日の田舎の生活は殆ど二年以上自分を捕えて居た騒擾からの快い恢復を感じさせて呉れる。明日の朝か、或は午後、彼は、私が立ったあのピーアから、偶然自分の真前に繋留されて居た船に乗るだろう。十三年目に、或は十四年目に、故国の土は、どんな腕を拡げて彼を迎えとるだろう。私は心から、彼が自分を生んだ土地と人々とに、歓びを以て迎えられ又帰還することを祈る。