Clásicos japoneses con furigana
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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
Lee 春泥・三の酉 (しゅんでい) de 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 86.075 caracteres · 173 pantallas
」
かげでそうせゝら笑ったと聞いてかれはカッとした。「よくも、畜生。」とかれは脣を噛んだ。そうでなくっても凋んでゆく……そのため日に/\気の屈して来る、料簡のしゅんで来る、世の中のつまらなくなって来る自分を心細くみ出しかけたかれである。――かれにすると、だから、最も痛いところにそう触られたのである……
が、もし、それが筑紫なりだれなりの口から出たのだったらそうは思わなかったかも知れない。いっそ却って有難いうれしい台詞にうけとったかも知れない。「気の抜けた風船……」かれのいかにも喜びそうな文句だった。――が、菱川がいったのでは……天下にかれの最も気に食わない菱川のそういったのでは金札でも鉄札……飲めばいゝんだろう、飲んだら不思議はねえんだろう。――ついしてそう不貞腐れもいわざるをえなかった……
「あいつ。――どこまでたゝるんだ、彼奴……」
と、いまさらのようにそのだらしなく酒を飲みはじめたそも/\、……飲んだくれることを覚えたそも/\。……そうでもしない限り、客の座敷で、始終菱川にけじめを喰い通しだった二十年まえのことがさびしくおもい出された。――と、そのおもいではまた、最近の、ついその一ト月まえの本郷の芝居の舞台での歪んだ互いの心もち。