Clásicos japoneses con furigana
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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
Lee 春泥・三の酉 (しゅんでい) de 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 86.075 caracteres · 173 pantallas
九
――で、楽屋では、その理由を以て菱川を「チョコ銀」と呼んだ。チョコとはそのうちみから「敵役」の柄の、でく/\脂肪ぶとりにふとった大きな体を始終チョコマカさせるからで、銀とはすなわち「銀行」の意味だった。
が、かれにとって、菱川との間はそれでよくっても、由良との間はそれではいけなかった。どうでもいゝですましてはいられなかった。――というものが、年々だん/\師匠との折合がつかなくなって来た。……というほどのことはなくっても、その間に、へんにどこか箍のゆるんで来たような、ホゾの外れて来たようなかたちのあるのがかれに感じられて来た。十年まえ二十年まえのようにしっくりお互の間の呼吸の合い兼ねるものゝ出来て来たことがかれに感じられた。――震災後ことにそれがハッキリして来た……
九
「中洲」時代にはそういってもよく失敗った。飲みすぎて舞台をトチッたり、喧嘩をして相手に怪我をさせたり、遊びに行って出さなくってもいゝボロを出したり、そんなことで始終かれは由良を失敗った。いくら詫びを入れてもいっかな聞いてくれず、客さきへ泣きついてとも/″\口をきいてもらったことも二度や三度ではなかった。