Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

ふくろうのめ

梟の眼

大倉 燁子

Lee 梟の眼 (ふくろうのめ) de 大倉 燁子 (おおくらてるこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 11.354 caracteres · 23 pantallas

Aozora Bunko

もし是非ともこれを望むとすれば、纏ったいくらかの金をたしまえとして渡さなければなるまい。結婚してからまだ半年にしかならない二十一歳の若夫人の身では、それだけの金の工面は少し難しかった。欲しくって、欲しくって堪らないが、これは我慢しなければならないので、その代りに小指にはめるマルキイズを借りることにして、ルビーの指輪に若干の金を添えて話をつけた。

杉村は鞄の中に指輪を納いながら、

「米国観光団の大舞踏会があるそうでございますね。ご出席なさいますんでしょう?」

「ええ、招待状が来ているから、行く積りよ」

「そのために――、皆さん、大変ご苦労をなさいます。これは内々のお話でございますが、――私共の上等品は大部分当日のために出払ってしまいました」

陽子は杉村が帰った後も、三キャラットのダイヤが眼の前を離れなかった。梅田子爵夫人ともあろうものが、あれ位のダイヤ一つ持っていないとは情けない、何とかして買いたいものだと思いながら、ぼんやり庭を眺めていると、縁側に忙しそうな足音がして、実家の次兄、平松春樹が訪ねて来た。

「あら、お兄さん」

兄の顔を見ると急に甘えるような気持ちなって、何ということなしに涙ぐんだ。