Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lee 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 146.773 caracteres · 294 pantallas
無茶では運命に勝てん。勝とう勝とうとあせって、自分の力に及ばないことや、道理にはずれたことをすると、かえって負ける。芽を出したばかりの松は、どんなに力んでみてもすぐには岩は割れない。また大きくなった松でも、幹の堅さだけで岩を割るわけにはいかない。岩を割る力は幹の堅さでなくて、命の力なんだ。じりじりと自分を伸ばして行く命の力なんだ。だから、運命に勝ちたければ、じりじりと自分を伸ばす工夫をするに限る。勝つとか負けるとかいうことを忘れて、ただ自分を伸ばす工夫をしてさえ行けば、おのずとそれが勝つことになるんだ。」
徹太郎の調子は、ふだんとはまるでちがって来た。次郎は何か叱られているような気持だった。
「だが――」
と徹太郎は少し考えて、
「自分を伸ばすためには、先ず運命に身を任せることが大切だ。岩の割目で芽を出したら、その割目を自分の住家にして、そこで楽しんで生きる工夫をするんだね。岩を敵にまわして闘うのじゃない。むしろ有難い味方だと思って、それに親しんで行く。それでこそほんとうに自分を伸ばすことが出来るんだ。運命を喜ぶものだけが正しく伸びる。そして正しく伸びるものだけが運命に勝つ。