Clásicos japoneses con furigana
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ぬまふじん
沼夫人
泉 鏡花
Lee 沼夫人 (ぬまふじん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 39.541 caracteres · 78 pantallas
」
折から陽気にという積りか、医師の言は、大に諧謔の調を帯びたが、小松原はただ生真面目で、
「どうかそうしてくれたまえ。ここを追出されたればといって、二度とあすこへ行って寝る気はしない。どうも驚いた。」
「はじめから奇を好むからです。あすこへ行って寝るなんざ、どの道好くない。いずれ病人でなくっては乗っからない寝台だもの。もっとも、私にゃ大切な商売道具だがね。
しかしそれにしてもあんまりな怯え方だ。夢を見て遁出すなんざ、いやしくも男子たるべきものが……と云って罵倒するわけじゃないが、ちとしっかりしないかい。串戯じゃない、病気になる。
そんなのが嵩じると、何も餅屋がって、ここで病名は申さんがね、起きている真昼間でも目に見えるようになる。それ、現在目に見えて、そこに居るから、口も利くだろう、声も懸けようではないか。傍から見ると、直ぐにもうキの字だぜ、恐るべし、恐るべし。
何も、朦朧と露れたって、歴々と映ったって、高が婦じゃないか。婦の姿が見えたんだって言うじゃないか。何が、そんなに恐いものか。」
「別に見えたって訳じゃない。何だか寝台の周囲を歩行いたんだが、そう、どっちにしても婦らしく思われた――それがすぐに、息の詰るほど厭な心地だったんではないけれども、こう、じとじとして、湿っぽくッて、陰気で、そこらに鯰でも湧出