Clásicos japoneses con furigana
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
Lee 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) de 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 151.120 caracteres · 302 pantallas
例えば百合が二十四で犬が二十、人間なら男が四十七で女は四十八というように……」
英二は、話の間にちらりと大村の顔を偸見た。志賀健吉が突然妙な話をはじめたのが、どういう意味かサッパリ見当がつかなかったのだ。第一、染色体なんぞというものは見たこともないし聞いたこともない――。そんなことよりも何故あの見事に実った『火星の果物』のことをいわないのであろうか。
「退屈ですか……」
健吉も、ちらりと眼をやって英二の顔色を読み取ると
「でも、これだけはいって置かないと、これからの私の話が、まるで嘘っぱちのようになってしまうんです。村の人達もここまでいうと大抵逃げ出してしまうんですよ」
そういって、苦笑を洩らした。英二は、一寸顔をしかめていた。
「ところが、ここにとても面白いことがあるんですよ」
志賀健吉は、人の気持を誘うような眼をして、
「雑草のように野生している小麦の染色体は十四ですが、私たちが食用にするような栽培されている小麦はその三倍の四十二です、それから野苺は十四ですが私たちが食べるような苺はその四倍の五十六、こんな風に、つまり染色体の数が多いと同じ苺なら苺でも優れているんです、例えば育ちが良いとか、寒暑に耐えるとか……」