Clásicos japoneses con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lee 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) de 田山 花袋 (たやまかたい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 156.097 caracteres · 312 pantallas
『田舎教師』について
私は戦場から帰って、まもなくO君を田舎の町の寺に訪ねた。その時、墓場を通りぬけようとして、ふと見ると、新しい墓標に、『小林秀三之墓』という字の書いてあるのが眼についた。新仏らしく、花などがいっぱいにそこに供えてあった。
寺に行って、O君に会って、種々戦場の話などをしたが、ふと思い出して、「小林秀三っていう墓があったが、きいたような名だが、あれは去年、一昨年あたり君の寺に下宿していた青年じゃないかね」
「そうだよ」
「いつ死んだんだえ?」
「つい、この間だ。遼陽の落ちた日の翌日かなんかだったよ」
「かわいそうなことをしたね、何だえ、病気は?」
「肺病だよ」
「それは気の毒なことをしたね」
私はその前に一二度会ったことがあるので、かすかながらもその姿を思い浮かべることができた。私は一番先に思った。「遼陽陥落の日に……日本の世界的発展のもっとも光栄ある日に、万人の狂喜している日に、そうしてさびしく死んで行く青年もあるのだ。事業もせずに、戦場へ兵士となってさえ行かれずに」こう思うと、その青年、田舎に埋もれた青年の志ということについて、脈々とした哀愁が私の胸を打った。