Clásicos japoneses con furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lee 福翁自伝 (ふくおうじでん) de 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 209.912 caracteres · 402 pantallas
入ると、森山の云うに、昨今御用が多くて大変に忙しい、けれども折角習おうと云うならば教えて進ぜよう、就ては毎日出勤前、朝早く来いと云うことになって、その時私は鉄砲洲に住て居て、鉄砲洲から小石川まで頓て二里余もありましょう、毎朝早く起きて行く。所が今日はもう出勤前だから又明朝来て呉れ、明くる朝早く行くと、人が来て居て行かないと云う。如何しても教えて呉れる暇がない。ソレは森山の不親切と云う訳けではない、条約を結ぼうと云う時だから中々忙くて実際に教える暇がありはしない。そうすると、こんなに毎朝来て何も教えることが出来んでは気の毒だ、晩に来て呉れぬかと云う。ソレじゃ晩に参りましょうと云て、今度は日暮から出掛けて行く。あの往来は丁度今の神田橋一橋外の高等商業学校のある辺で、素と護持院ヶ原と云う大きな松の樹などが生繁って居る恐ろしい淋しい処で、追剥でも出そうな処だ。其処を小石川から帰途に夜の十一時十二時ごろ通る時の怖さと云うものは今でも能く覚えて居る。所がこの夜稽古も矢張り同じ事で、今晩は客がある、イヤ急に外国方(外務省)から呼びに来たから出て行かなければならぬと云うような訳けで、頓と仕方がない。