Clásicos japoneses con furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lee 福翁自伝 (ふくおうじでん) de 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 209.912 caracteres · 402 pantallas
医家に砲術修業の願書
しらばくれて奥平壹岐の家に行て、「誠に難有うございます。お蔭で始めてこんな兵書を見ました。斯う云う新舶来の原書が翻訳にでもなりましたら、嘸マア海防家には有益の事でありましょう。併しこんな結構なものは貧書生の手に得らるゝものでない。有難うございました。返上致しますと云て奇麗に済んだのは嬉しかった。この書を写すに幾日かゝったか能く覚えないが、何でも二十日以上三十日足らずの間に写して仕舞うて、原書の主人に毛頭疑うような顔色もなく、マンマとその宝物の正味を偸み取て私の物にしたのは、悪漢が宝蔵に忍び入たようだ。
医家に砲術修業の願書その時に母が、「お前は何をするのか。そんなに毎晩夜を更かして碌に寝もしないじゃないか。何の事だ。風邪でも引くと宜くない。勉強にも程のあったものだと喧しく云う。「なあに、おッ母さん、大丈夫だ。私は写本をして居るのです。この位の事で私の身体は何ともなるものじゃない。御安心下さい。決して煩いはしませぬと云うたことがありましたが、ソレカラ愈よ大阪に出ようとすると、茲に可笑しい事がある。今度出るには藩に願書を出さなければならぬ。可笑しいとも何とも云いようがない。