Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Lee 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.

N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 193.761 caracteres · 388 pantallas

Aozora Bunko

勇一君は、かなしばりにあったように身うごきができなくなって、宙に浮く、首のないウサギを見つめていました。

すると、つぎには、ウサギの前足と胸のへんが、何かにのみこまれたように消えうせ、しばらくすると、あと足のほうまで、すっかりなくなってしまいました。

そして、一ぴきの白ウサギが、勇一君の目の前で、完全に消えてしまったのです。

じつに、とほうもない想像ですが、庭のやみの中に、人間の目には見えない、透明な妖怪というようなものがいて、ウサギをつかみとって、頭からたべてしまったのではないでしょうか。

勇一君は、ふとそんなことを考えると、ゾーッと気が遠くなるほどの、こわさにおそわれました。どうしてうちの中へかけこんだのか、もう、むがむちゅうでした。

勇一君の知らせでおとうさんは、大きな懐中電灯を持って、庭へ飛びだしてゆかれました。そして、木のしげみの中を、くまなくさがしましたが、ウサギは影も形もありません。そればかりか、おそろしいことには、ちょうどウサギが消えたあたりの地面に血が流れ、草の葉をまっかにそめていました。

「おや、これはなんだろう。」

おとうさんはビックリして、そこを電灯でてらしてごらんになりました。