Clásicos japoneses con furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lee 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 160.888 caracteres · 317 pantallas
その二人は厚く白粉を塗り、鼻がばかになるほど安香水を匂わせ、すぐに客の膝へ腰掛けたり、客の吸っているタバコをひったくって吸ったりするのが、現代的サービスだと信じきっているような女性であった。
おさいは白粉もつけず、ふだん着のままで店にあらわれ、てきぱきと料理の皿やビールや酒を、運んだりさげたりしながら、客たちがもっとメートルをあげるようにと、絶えず、巧みに女給を煽るのであった。しかし、自分は決して客の相手にならず、話しかけられても簡単に受けながすだけだし、諄く冗談を云われたり、躯へ触られでもしたりすると、客のほうで消えてしまいたくなるほど辛辣な言葉で、てきびしく容赦なくやりこめた。
――おらんとこの五号船のぶっくれエンジンみてえだ。
東湾汽船の三十六号船に乗っている留さんがそう云った。その五号船はごく古いもので、エンジンを発動させると凄いような排気音を放ち、船ぜんたいをばらばらにするかと思うほど揺りたてる。五号船に乗っているあいだは、「うっかり口もきけない」といわれるくらいであった。
そのおさいが元井エンジを好きになった。きっかけを作ったのは、云うまでもないがおさいのほうだ。