Clásicos japoneses con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lee あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 239.520 caracteres · 475 pantallas
孫六はこれをはじめとし、差しつめ引きつめさんざんに射、鎧の袖、草摺りの間、胄の鉢下、胸板、脇腹、相手かまわず敵を射た。位置はよし、手練は無双、ただ一本の空矢もなく、二十三人を射て取った。
一筋の矢が後にのこった。
これを抜きとって腰へ差し、胡を外して櫓より投げ、
「冥途の旅の用心に、矢一筋残したり、思いのこすこと今はなし、日本一の剛の者の、死に様よくご覧じて、やがて貴所方の運命となる日の、お手本なりとなしたまえや!」
こう呼ばわると刀の鋒を、孫六はガバと口にくわえ、真っ逆さまに櫓より飛んだ。
太刀先およそ一尺あまり、頸に抜けて息絶えた。
この間に多治見の郎党ばらは、館の四方の門をかため、閂をかい重石を宛てがい、籠城の手筈をととのえた。
――いずれはことごとく討たれる身! が死ぬ前に六波羅勢を、一人なりと多く討って取ろうと、心を定めての兵法であった。
この決死の兵法には、雲霞のように寄せて来ていた、六波羅勢も恐れをなし、左右なく門を押し破って、乱人することが出来なかった。
門ぎわまでは寄せたものの、躊躇せざるを得なかった。
が、無鉄砲のはやり雄はあった。