Clásicos japoneses con furigana
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おごそかなかわき
おごそかな渇き
山本 周五郎
Lee おごそかな渇き (おごそかなかわき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 36.042 caracteres · 71 pantallas
二
「だめだ」と男はにべもなく首を振った、「すぐに出てってくれ、ふんとうに、この頃のやつらときたらゆだんも隙もなりゃあしねえ、――すぐ出ていかねえと駐在を呼ぶだぞ」
「いきましょ」りつ子は火を踏み消して云った、「こんなところにいたくもないわ」
隆二は男を憎むよりも、その貪欲と人を疑うその根原にある貧しさ、人間どうしの不信さを感じて、骨まで冰るような思いがした。
――いや、これが真実ではない、と彼はあるきだしながら思った。よくても悪くても人間が人間であることに変りはない、あの男の性質がどんなであろうと、やはり人間としての嘆きや悲しみはあるに相違ない、彼を憎むよりも、彼のために祈るほうが本当だ。
「ねえお兄さん」とりつ子が云った、「今夜どこで寝るの」
二
それから六キロほど坂下の藁小屋で、二人は寝た。仕切り越しに二頭の牛がいて、初めは驚いたのだろう、おちつかなく動きまわっていたが、やがて静かになり、一頭のほうがやさしく、二度ばかり鳴いたと思うと、あとは眠ってしまったのか、なんの物音もしなくなった。
「牛って臭いのね、いやだわ」とりつ子は云った、「ああ寒い、お兄さんのほうへいってもいいでしょ」