Clásicos japoneses con furigana
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こころ
こころ
Lee こころ de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 160.915 caracteres · 322 pantallas
先生自身すでにそうだと告白していた。ただその告白が雲の峯のようであった。私の頭の上に正体の知れない恐ろしいものを蔽い被せた。そうしてなぜそれが恐ろしいか私にも解らなかった。告白はぼうとしていた。それでいて明らかに私の神経を震わせた。
私は先生のこの人生観の基点に、或る強烈な恋愛事件を仮定してみた。(無論先生と奥さんとの間に起った)。先生がかつて恋は罪悪だといった事から照らし合せて見ると、多少それが手掛りにもなった。しかし先生は現に奥さんを愛していると私に告げた。すると二人の恋からこんな厭世に近い覚悟が出ようはずがなかった。「かつてはその人の前に跪いたという記憶が、今度はその人の頭の上に足を載せさせようとする」といった先生の言葉は、現代一般の誰彼について用いられるべきで、先生と奥さんの間には当てはまらないもののようでもあった。
雑司ヶ谷にある誰だか分らない人の墓、――これも私の記憶に時々動いた。私はそれが先生と深い縁故のある墓だという事を知っていた。先生の生活に近づきつつありながら、近づく事のできない私は、先生の頭の中にある生命の断片として、その墓を私の頭の中にも受け入れた。