Clásicos japoneses con furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lee みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 265.437 caracteres · 530 pantallas
茶菓が運ばれた。やがて誰やらクド/\言う様子であったが、音譜の中には聞き覚えのない肉声が高々と響き出した。
余は窃と廊下伝いに書院に往って、障子の外に停んだ。蓄音器が歌うのではない。田圃向うのお琴婆さんが歌うのである。
田圃向うの浜田の源さんの母者は、余の字で特色ある人物の一人である。彼女は神道大成教の熱心な信者で、あまり大きくもない屋敷の隅には小さな祠が祭ってあって、今でも水垢離とって、天下泰平、国土安穏、五穀成就、息災延命を朝々祈るのである。彼女は村の生れでなく、噂によればさる士の芸妓に生ませた女らしい。其信心は何時から始まったか知らぬが、其夫が激烈な脚気にかゝって已に衝心した時、彼女は身命を擲って祈ったれば、神のお告に九年余命を授くるとあった。果然夫の病気は畳の目一つずつ漸々快方に向って、九年の後死んだ。顔の蒼白い、頬骨の高い、眼の凄い、義太夫語りの様な錆声をした婆さんである。「折目高なる武家挨拶」と云う様な切口上で挨拶をするのが癖である。今日も朝方蓄音器招待の礼に、季節には珍らしい筍二本持て来てくれた。
琴婆さんは蓄音器の返礼にと云って、文句は自作の寿を唄うて居る。