Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ごがつのそら

五月の空

宮本 百合子

Lee 五月の空 (ごがつのそら) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 5361 caracteres · 12 pantallas

Aozora Bunko

原稿紙をかなぐりのけて 眼を動かす。

見出そうとするように

此心を、さながらに写す 言葉か、ものかを

見出そうとするように。

*

それは、あの人の詩はよい。

優雅だ。 実に驚くべき言葉のケンラン。

けれども。――

そうです。あの方のも、素敵ですね。

放胆なイマジネーション。ファンタジア アラ……

然し。――私の心は、どうしても満足しない。

とん とん、と、胸に轟くこの響が、

あれ等の裡に聴えましょうか。

迫り、泣かせ、圧倒するリズムが

あれから浸透して来ますか?

ああ、私の望むもの、私の愛すもの

其は、我裡からのみ湧き立って来るものだ。

静に燃え、忽ちぱっと※(「(啗-口)+炎」、第3水準1-87-64)をあげ、

やがて ほのかに 四辺を照す。

*

新芽をふいた世界は

鋭角になり 緑になり

平面に延る人間の心を 擾乱する。

夜中の雨に じっとりと濡れ

膨らんだ細葉を 擡げ 巻き立ち

陽を吸う苔を見よ。音が聴えそうだ。

又は勁く、叢れ、さっと若葉を拡げた八つ手、

旺盛な精力の感、無意識に震える情慾の感じ。

電車の音、自動車の疾走

戸外は音響に充ち

少年は、頻りに口笛を吹く。

静謐な家の中 机に向い