Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

ぼんじんでん

凡人伝

佐々木 邦

Lee 凡人伝 (ぼんじんでん) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 98.944 caracteres · 202 pantallas

Aozora Bunko

「何うしたんだい?」

「私を見かけながら知らん顔です。小使にしろ、此方は長年お世話をして上げた積りです。『音さん、何うだい?』ぐらいのことは言って貰いたい」

と音さんは憤慨していた。

「悪気はないんだが、気がつかないのさ」

「いや、あゝいう人情味のない人ですよ。そこへ行くと、立花さんあたりは如才ありません。人間は誰しもあゝあって貰いたいと思いました」

「立花君も来たのかね?」

「へえ。二三日前にお見えになりましたよ」

「それは惜しかったな」

「これが家内だと言って、奥さんを紹介して下さいました。物になるくらいの人は実に行き届いたものです」

「それじゃもう結婚したのかい?」

「御存知ありませんか?」

「知らない」

「尤も近頃でしょう。矢っ張り猪股先生を訪ねてお出になったんです」

「未だ東京にいるか知ら?」

「さあ。お郷里へいらっしゃると仰有っていました」

「新婚旅行かい?」

「然うでございましたろう。お二人で顔を見合せて、如何にも嬉しそうにしていらっしゃいました」

「成程。お芽出度いね」

と私は微笑を洩らした。小成に安んずる奴だと思ったのである。

「折角お出になったのに生憎でございましたな。