Clásicos japoneses con furigana
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あづまばし
問はずがたり・吾妻橋 他十六篇
永井 荷風
Lee 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇 (あづまばし) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 75.586 caracteres · 159 pantallas
図書館の書物が貸出しをして無事に返って来るようになるまでには相応の年月を要する事でしょう。私は今まで東京の町の古本屋で時々学校の蔵書印の押してある書籍を見た事もある位です。こう云う事を防ぐためには証明書が幾枚もいるような、面倒な手続を必要とするらしいのです。何をするにも日本では署名と捺印が必要です。隣組から食料の配給をして貰うにも認印の入用なのが日本現代の生活の特徴ですが、米国では預金を銀行から引出すにも署名だけで別に印鑑はいりません。日米生活の相違は印鑑の用不用の相違で万事が想像されます。今は米国の風習をほめて置きさえすればよい時代になったのですから、こんな事を云い始めたら限りがありますまい。紐育は岩の上に建てられた町ですが、東京の市街の半分は泥海が土地になった処に建てられて居るのです。ここにも何かの相違があります。
私は兎に角前以て申上げたように欧洲第一次大戦の起らない以前に西洋の世の中を見て来た老人です。今日世界の気運の那辺に向いつつあるかはもう私には分らなくなっています。私はただ一日も早く外国の新刊書が戦争以前のように丸善や三越の店頭に陳列せられる日の来らんを待って居ます。