Clásicos japoneses con furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lee 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) de 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 108.647 caracteres · 215 pantallas
あたかも漆黒の体躯の底に光りの泉があって、絶え間なく滾々とあふれ出てくるように思える。そして再び重厚な体内に吸いこまれ、不断に循環しながら、云わば光りの柔軟なメロデーを奏でているようだ。この循環のメロデーがそのまま仏体の曲線であり、また仏心の動きをも示しているといえないであろうか。飛鳥仏の口辺にみられた微笑は消え去っているが、その代り全身が微笑しているといった感じである。
台座の下に立って仰ぐと、尊貌高く、下弦の月のように細長く弧をひいた眉が拝される。その眉のあたりに漂う幽かな光りが、半眼にひらいた眼差に沿うて流れ、やがて豊かな頬と堅く結ばれた口辺に及んで艶深く輝き出ている。この光りは重厚な二重の顎のところで一旦ひきしめられる。そして再び逞しいなだらかな肩のあたりを漂いながら、腕において強烈となり、更に印をむすんで挙げた右手の、繊細な指において微光となって散る。左手は結跏趺坐した膝の上にゆるやかにおかれているが、おそらくその上に薬壺を載せていたのであろう。
体躯をめぐるかような光りの流れに、伴奏のごとくまつわっているのは、云うまでもなく衣の襞である。