Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lee 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 349.705 caracteres · 678 pantallas

Aozora Bunko

兵馬は、柳の蔭から透して、大道で倒れて苦しがっている者の、仔細な観察を続けようとします。だが、まず以て安心なことには、この怪しい行倒れが、斬られて横たわっているのではなく、酔倒れて、身動きもならないほどになっていることに気がついたのです。

「酔っぱらいだな」

酔っぱらいならば、酔いのさめるまで地面に寝かして置いた方がよい。

この地では、あんなのを、通りがかりにためし物にして、さいなんで行く奴もあるまいし、まだ当分車馬の蹄にかかる心配もあるまいから、まもなく夜が明けたら、誰か処分するだろう、そのうちには酔いがさめて、自分の酔体は、自分で始末するに相違ない。

まず安心――という気持で柳の木から出て、そうして兵馬は、ずかずかとこの酔っぱらいの前を通り過ぎようとしました。

「もし、そこへ誰か来たの、何とかして下さいよ、もう動けない、助けて下さい」

兵馬の足音を聞いて、酔っぱらいが呼びかけたのは不思議ではないが、それは女の声でした。

助けて下さいと言うけれども、酔っぱらいであることは間違いないから、兵馬はそう深刻には聞きません。

本性のたがわぬ生酔い、人の来る足音を聞いて、それを見かけに、何かねだり事をでも言おうとする横着な奴! しかもそれが女ときては言語道断だ、と思いました。