Clásicos japoneses con furigana
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Lee 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 201.379 caracteres · 394 pantallas
警察から呼び出しがあっても、おれは関係がない、かつ子はおまえの姪だ、と云って京太はそっぽを向く。おたねはさからおうともせずでかけてゆき、父親はどうしたときかれれば、京太に教えられたとおり、病気で来られないと答えるのであった。
かつ子の調べは少しも進まなかった。どう手をつくしても、犯行の理由を云わないのである。
「きみのわるい子だよ」と刑事の一人は云った、「なにをきいても黙りこんだままでね、ときどき歯を剥きだすんだ、笑うのかと思うとそうでもないんだな、唇がこうゆっくりとひろがって、そうすると歯が見えてくるんだがね、よく観察すると笑うんじゃないんだな、猿を怒らせるときーっといって歯を剥きだすが、あれでもないんだ、笑うんでもなし怒るんでもないんだ、見ているとぞーっとするね、ああ、きみのわるい子だよ、まったく」
おたねは草田病院へもみまいにいった。岡部定吉は幸運にも死なずに済み、全治三週間と診断された。刺し傷は胸であったが、僅かに心臓をそれたのが幸運で、輸血もうまくゆき、刺傷部の状態もおおむね良好ということであった。
「どうしてこんなことをされたかわからない、ぼくはかっちゃんが好きだったんです」