Clásicos japoneses con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lee 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 350.912 caracteres · 702 pantallas
がする。
吹き落ちるような星、秋の声。
一枚の莚を、宿として、武蔵はふと、
「何の愚ぞ」
と、自分の狂的な今の気持を、冷ややかに嘲笑った。
一体、何を知ろうとするのだ。何を禅師に求めるのだ。
こんなにまで、追求しなければ人間は生きられないものか。
憐れになる。
愚かな身に住む半風子までが不愍になる。
禅師はいった。求める自分へ対して、はっきり断っている。
無一物。――と。
その人へ向って、無い物を強いて求めるのが無理だ。いくら尾いて来ても、禅師が、路傍の犬ほども顧みてくれないからとて恨む筋もない。
「…………」
武蔵は、髯の中から、月を見た。山門の上は、いつか秋の月だった。
まだ蚊がいる。
彼の皮膚は、もう蚊の針さえ感じない。しかし、喰われた後は血になって、それが無数に、胡麻粒ほどな腫物になっていた。
「ああ、分らない」
たった一つ、何かしら、分らないものがある。――それさえ解ければ、凝結している剣も、すべても、刮然と、解けそうな気がするのであったが、どうにもならない。
もし、自分の道業も、ここで終ってしまうなら、むしろ死したがましだと思う。生きて来たかいが見出せないのだ。