Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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やまのみりょく

山の魅力

木暮 理太郎

Lee 山の魅力 (やまのみりょく) de 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 3956 caracteres · 8 pantallas

Aozora Bunko

一

一

夏の登山が今日のように盛になったのは、色々の原因があるにしても、山が何かしらん人の心をしっかりと捉えずには置かない、強い魅力を持っている為である。人真似であろうが流行かぶれであろうが、登山の動機は何であっても、二度三度と行く中には、真実に山が好きになって、機会さえあれば如何しても登らないではいられないようになる。平地では夢想だもしなかった、登山者の前にのみ次から次へと展開する新しい驚異は、知らず知らずの間に山にあこがれ、山に徹底し、これと融合して無我の境地に到達しなければ止まない衝動を与える。この境地は登山に於て所謂詩人の霊感にも比す可きものであろう。されば山の魅力は驚異であり、驚異の感情は登山者が山に執着を感ずる心の目覚めである。つまるところこれは、如何に多くの人が原始のままの自然の姿に対して、無意識の中に深い憧れを感じつつあるかを語るものに外ならない。そして自然が最もよく原始のままに保存されているのは、陸上に於ける島ともいう可き山である。山が高ければ高い程、深ければ深い程、一層よい。

勿論山に登るのは、それがいくら容易な山であるというても、平地を歩くより骨の折れることは言う迄もないことで、幾多の困難があり、時としては多少の危険がある。