Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

やまうらきよまろ

山浦清麿

吉川 英治

Lee 山浦清麿 (やまうらきよまろ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 45.573 caracteres · 91 pantallas

Aozora Bunko

(よもや?)

と、兄の真雄も、母のお菅も、強いて心で打ち消していると、環は、或る夜そっと、裏口から生れた家へ帰って来た。

そして、裏の納屋で、長いこと母と密々話した揚句、彼の母は涙ながら、真雄の所へ来て、その気持を訴えたが、

(家へ入れるわけには行きますまい)

と、真雄は、養子先へ義理を立てて、肯かなかった。

元々、環と、養子先の娘とは、尋常な縁組ではなく、若い彼と彼女との、恋の始末を、強いてそこに正式化して落着けたものであった。

それまでにするには、仲へ入った人々にも、娘の親、親類にも、悲嘆や苦労を随分とかけさせている。曲げられない旧弊の家憲や、困難な事情も、どちらも可愛いい一人娘と、息子の為にと、曲げさせた上、やっと纒った両家の縁組なのだった。

それはまだいいとしても――。

環が、家出したなら、では生家へ入れようとは、何うしても真雄として云えない理由が、もひとつある。

環の妻には、もうこの春、生れたばかりの子があるのである。

その子を捨て――又、飽きも飽かれもせぬ恋妻を捨てて――何で環は養子先を飛び出してしまったか。

弟のその気持を考えると、真雄としては、涙があふれてくる。