Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

Lee 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 135.005 caracteres · 262 pantallas

Aozora Bunko

東京から西の方、東海道の諸国では節分の前の晩に、ヤイカガシまたはヤツカガシというものをこしらえて戸口に插す。たいていは鰯の頭、髪の毛などを小さな串のさきに挾んで、ごくざっと炙ったもので、これを見ると鬼が辟易して入って来ぬという。これも臭気を嗅がしめるのが目的と見えて、ただそれだけでも相応に臭いのに、更にその際の唱えごととして「隣の婆々が屁をひった」という類の下品な言葉があり、またふふらのふんというような鼻の音の声色を囃しにしている。

こういう文句の特に発達しているのは、静岡、愛知の二県だけらしいが、同じ風習は遠くの地方にもある。淡路や備中ではこれをヤキザシ、出雲などはヤイクサシと呼んでいる。ヤツカガシという語の知られているのは信州から越後、関東、奥羽にも処々にこの風習と共に名前がある。盛岡などではこの節分の宵に插す串も、本物の案山子も共にヤツカガシというそうだから、カガシの元の意味はまず明らかになったわけである。しかし中部地方の数県のように、節分のヤツカガシの行事風習が盛んな地方では、山田の案山子と混同して困るためか、この地方はカガシとはいわず普通ソメと称している。