Clásicos japoneses con furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lee 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 135.005 caracteres · 262 pantallas
案山子の人形なども同じことで、半日も見ていればこれが人間でないことは鳥にもわかる。雀なども引板鳴子には驚くが案山子の頭には折々は来てとまるかも知れない。
これでは困ると思って色々とこの方法を改良し、近頃は笠の代りに鳥打帽を被せたり、古いタオルの頬冠りをさせたりすると、人間の香りが強いので幾分か余計にこれを避け憚るように見える。それを実験すると、これは当世の形にした方が、彼等には本物と見え易いのだと解して、だんだんに案山子の風俗もモダーンになるのだが、その解釈は果して正確を得ているかどうか、まだ実はよく判らぬのである。
むつかしい語を使うことを許されるならば、私はこれを信仰の合理化または呪法が伎芸となって行く過程と認めているのである。
始めて鳥獣の嚇しのこの人形を立てた人の心持は、これが自分達の姿のように見えて、相手を誤解させようというのではなかった。形はどうあろうともこれが霊であって、むしろ人間以上の力で夜昼の守護をするものと信じられていたことは、日向のシオリジメも注連繩も同じことであった。そういう古風な考え方はもう抱いている者もないかと思っていると、地方によって存外に物堅く、今でも、この案山子に対して慰労感謝の祭をしている者もある。