Clásicos japoneses con furigana
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せんうんをかるじょかい
戦雲を駆る女怪
牧 逸馬
Lee 戦雲を駆る女怪 (せんうんをかるじょかい) de 牧 逸馬 (まきいつま) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 29.866 caracteres · 59 pantallas
」
「しかし吾輩は、君がそうとは気がつかなかったぞ。しょっちゅう眠ってたじゃないか。」
「うん。心眼をあけてね。」
「どうだか。怪しいもんだぜ。隙だらけだった。」
「馬鹿言いたまえ。虚実の間を往くのがスパイの要諦なんだ。はっはっは。」
なんかと、館員も加わって豪傑ぞろいのドイツ人のことだから、呵々大笑、がやがややっているところへ、ノックもなしに扉が開いて、のそりとはいって来た人物を見ると、長身、筋肉的、砂色の毛髪、手筈によれば、ソフィアで、同志H21に現をぬかしているはずの英少佐エリク・ヘンダスンだから、一同おやっと呆気に取られている。
ひとりで舞台を攫ったヘンダスンは、得意時の人間の商人的馬鹿ていねいさで卓子へ近づいて、いきなりポケットから二通の書類を取り出して叩きつけた。
「紳士諸君」ちょいとドラマティックに見得を切って、「この条約文の翻訳は不正確きわまるものですな。誤訳だらけですな。あんまりひどいんで、ちょっといま、族王様にお眼どおり願って御注意申し上げておきました。族王さまはたいそう怒っていらっしゃる。どうもドイツ人は怪しからん。もうすこしアフガニスタン語を勉強したらいいじゃないか――。