Clásicos japoneses con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lee 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 684.899 caracteres · 1374 pantallas
階下でさんざん、今晩は今晩は、といってみたが、返辞がねえから、灯りを見て、神妙に訊きに来たばかりじゃねえか。……ちょっと、旦那にお顔を貸してもらいてえんだ」
「おまえの旦那って、誰さ」
「いわずと知れた押司さまだ。宋公明及時雨さまは、常日頃、おれの恩人とも親分とも思っているお方だが、どうしてもまた、お助けを仰がなくっちゃならねえ始末で、宋家村のおやしきから町中を尋ね廻って、やっと探しあててきたわけさ。あ、いるネ旦那、そこにいらっしゃる旦那」
「オ……唐牛児か」
宋江も声を聞いて、椅子を立ちかけた。
思うらく――これは飛んだいい奴が舞い込んで来たもの――。市井の小輩、日ごろなら顔見るたびに小費いセビリばかりする厄介者だが、時にとっては天来の救い。これを機に、牛児を連れて、この場のヤリきれない泥沼から、ていよく外へ出て行こうとしたのである。
だが、そこは勘のいい海千婆さんのこと。扉口へ立った宋江の体を、何のかのと、花言巧語のありッたけを尽して、元の座へ押し戻しておき、そしてまた、漬物屋の牛児へ向って、
「いけない、いけない。さア、出なよ、出なよ。図ウ図ウしいったらないね、お前は」