Clásicos japoneses con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lee 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 684.899 caracteres · 1374 pantallas
李逵に叱言もいわない。いずれおちついてからいうつもりだろうか、先に立って、江州の水辺へ道をたどり、
「宋君、白楽天の古跡を見てみますか。なんならご案内いたすが」
「琵琶行のゆかりの地ですな。それはなつかしい」
「彼方の川ぞいに、その琵琶行にちなんだ琵琶亭という茶屋がある。いまは秋ではないが晩春もまたなかなかです。ひとつ、そこで一ぱいやりましょう」
はやくも宋江の旅情に似た胸には、淪落の女が夜舟に奏でる絃々哀々の声が思い出されている。が、さて、その夜彼が味わったものは何か。もちろん、過去にはあったそんな風雅ではない。琵琶亭そのものも人間も、すべては現実の腐爛と濁流中のものだった。
雑魚と怪魚の騒動の事。また開く琵琶亭の美酒のこと
名所旧蹟地には茶店や料亭は付きもので、またそれが点景の風物にもなっている。琵琶亭などもまさにそんな画中の水亭だった。画中の客となった心地である。
「宋君。ご存知でしょうが、ここで飲ませるのが、純粋な江州産の銘酒ですよ。つまりこの芳醇ですな。天下の酒徒なら“玉壺春”の名を知らぬものはありません。江州は米所であるうえ、水も佳い地方のせいでしょうか」