Clásicos japoneses con furigana
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ひとうとうこうき
比島投降記
石川 欣一
Lee 比島投降記 (ひとうとうこうき) de 石川 欣一 (いしかわきんいち) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 68.333 caracteres · 134 pantallas
何ということなくストケードは活気づいた。マニラへ行くということは日本へ帰れることを意味する。南へ下るのは、それだけ北へ近くなることである。あちらでもこちらでも、悦しそうな声が聞え、荷物の整理が始まった。僕は無茶苦茶に忙しくなり、自分の荷物どころの騒ぎではなかった。
二十七日の朝、G中尉は早くやって来た。ここでも僕は最後まで残り、きれいに片付き、人員に完全にあやまりのないことを確かめてから、立去ることになった。テントは次々と倒され、たたまれ、ただ三つ残った倉庫用のテントに積み上げられた。コットも、蚊帳も、毛布も、タオルも、同様である。リスター・バッグも木の三脚から外された。一方T中尉とW曹長は、このストケードとLSTが横づけになっているカガヤン河の河口とを往復する数台のトラックに、人々をチェックして積みこむのに懸命になっていた。
最後にT中尉以下の使役兵二十数名と僕だけが残った。G中尉と僕とは、最後の見廻りをした。便所と塵焼場の埋め残しが、それぞれ一つあったが、G中尉は別に叱言もいわなかった。単に使役兵に埋めることを命じ、それを待つま、ポケットからシガレット四箱とパイプ・タバコ二箱を出した。