Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぬまふじん

沼夫人

泉 鏡花

Lee 沼夫人 (ぬまふじん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 39.541 caracteres · 78 pantallas

Aozora Bunko

三年前だ、やっぱりこの土地で、鉄道往生をし損なった、その時なんです。」

「ああ、そんな事があったってな、危いじゃないか。」

と云う内に自から真心が籠って、

「一思いに好男子、粉にする処だっけ。勿論、私がこうして御近所に陣取っていれば、胴切にされたって承合助かる。洒落にちょいと轢かれてみるなんぞも異だがね、一人の時は危険だよ。」

わざと話に、一人なる語を交えて、小松原が慚愧の念を打消そうとするつもりだった。

ところが案外! この情に、太く動かされた色が見えたが、面を正しゅう向直った。

「何とも――感謝する。古疵の悩を覚えさせまい、とそうやって知らん顔をしてくれるのは真に嬉しい、難有いが……それでは怨だ。

ねえ。

あれほどの騒ぎだもの。ことに自惚らしいが、私の事を忘れないでいてくれる君が、しかもこの土地へ来ていて、知らないという法はない。承知の上で、何にも知らん振をしてくれるのは、やっぱりあの時の事を、世間並に、私が余処の夫人を誘って、心中を仕損った、とそう思っているからです。

勝手な事を言うものには、言わしておいて構わんけれども、君のような人に対しては、何とももって恥入るんだ。