Clásicos japoneses con furigana
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ぬまふじん
沼夫人
泉 鏡花
Lee 沼夫人 (ぬまふじん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 39.541 caracteres · 78 pantallas
十三
浜に人影がなくなって、海松ばかり打上げられる、寂しい秋の晩方なんざ、誰の発議だったか、小児が、あの手遊のバケツを振提げると、近所の八百屋へ交渉して、豌豆豆を二三合……お三どんが風呂敷で提げたもんです。磯へ出ると、砂を穿って小さく囲って、そこいらの燃料で焚附ける。バケツへ汐汲という振事があって、一件ものをうでるんだが、波の上へ薄りと煙が靡くと、富士を真正面に、奥方もちっと参る。が、落日に対して真に気高い、蓬莱の島にでも居るような心持のする時も、いつも女中が随いていたのに。」
十三
「それが、その時に限って二人きりだった。もっともね、
(健ちゃんは?)ッて聞いたんだ。
(そこいらに居ましょう。)
と藤色の緒の表附の駒下駄を、紅の潮した爪先に引掛けながら、私が退いた後へ手を掛けて、格子から外を覗いた、門を出てからで可さそうなものを、やっぱり雨に閉籠った処を、四五日振りの湯上りで晴々して、戸外へ出るのが嬉しくって、気が急いたものらしかった。
帯もざっとした引掛結びで、
(おや、居ませんか?)
ッて蓮葉に出て、直ぐ垣隣りの百姓屋の背戸を覗込んで、
(健ちゃん、健ちゃんや。