Clásicos japoneses con furigana
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たきぐち
滝口
山本 周五郎
Lee 滝口 (たきぐち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 49.815 caracteres · 99 pantallas
おれに残っているものはおりうだけだ、芳村伊織は呻きながら、苦しそうに喘いだり身もだえをしたりしながら云った。おれはおまえをはなさないぞ、水の底、土の中、火の山へ隠れたっておれははなれない、おりうはこのおれのものだ、と芳村は繰返した。
「刀の刃を見てふるえだしながら、あの人がうわごとのようにそう云うのを聞いたとき、あたしは死びとの呪いを聞くように思いました、死んだ人が地面の下から手を伸ばして、あたしのことを捉まえようとしている、本当にそんなような感じだったんです、――あたしその晩のうちに、稲毛から逃げだしました」
安宅はおりうに酌をしてやった。おりうが盃を口へ持っていったとき、声をかけておわきがはいって来、あちらでお呼びよ、とおりうに云った。おりうは盃の酒を飲みほして、あたしにですかときき返した。そう、あんたよ、ここはあちしがお相手をするからいっちらっしゃい、お座敷はいつもの菊よ、とおわきは答えた。いつもの菊と聞いたとき、おりうの顔色が変るようにみえた。おわきは安宅に一種の眼くばせをし、坐って燗徳利を取った。
おりうは盃を置き、「お願いよおわきねえさん」