Clásicos japoneses con furigana
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Lee 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 86.705 caracteres · 173 pantallas
「何でえ、騒々しい!」
舌打ちをしながらも、やぐら下の宗七、のそりと起ち上がっていた。
居合抜き俄芸人
「さあ、お立ち会い! これだけの観物は、お主らが金を山と積んだところで、金輪際、拝める代物じゃあない。拙者もこうして大道に立って、芸を切り売りしたくはないのだが、そこがそれ、農工商の上などと威張ってみたところで、どうせ同じ人間様だ。食わなきゃあ生きちゃいられねえ。ところが禄を離れてみると、強いようでも弱いのが侍だ。浪々の身で、この大道芸人――芸人の身で被りものは恐れ入るが、これも侍のつまらねえ見得と、まず、この頭巾だけは許してもらいたい。さあさ、お立ち会い。いよいよ始める。」
路端に立って大声にしゃべり立てているのは、例の白の弥四郎頭巾に白服の伴大次郎である。そのそばに、腰元のように装った派手な振袖の千浪が、高く結い上げた髪も重たげに、立っているのである。
麗らかな日で、吹く風も寒くなく、江戸の空には鳶が舞っていた。
深川やぐら下を少し富ヶ岡八幡に寄ったほうの横町で、稲荷の祠の前だ。この異形の侍と、若い美しい女に眼をとめて、好奇心に満ちた群集がぐるり取り巻いてわいわい言っている。