Clásicos japoneses con furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Lee 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 144.507 caracteres · 291 pantallas
そういうわけで、私たちは家の主婦を奥さんと呼んでいました。下宿屋のおかみさんを奥さんと呼ぶのは少し変ですが、前にも言う通り、まったく上品で温和な婦人で、どうもおかみさんとは呼びにくいように感じられるので、どの人もみな申合せたように奥さんと呼び、その娘を伊佐子さんと呼んでいました。家の苗字は――仮りに堀川といって置きましょう。
十一月はじめの霽れた夜でした。わたしは四谷須賀町のお酉さまへ参詣に出かけました。東京の酉の市というのをかねて話には聞いていながら、まだ一度も見たことがない。さりとて浅草まで出かけるほどの勇気もないので、近所の四谷で済ませて置こうと思って、ゆう飯を食った後に散歩ながらぶらぶら行ってみることになったのですから、甚だ不信心の参詣者というべきでした。今夜は初酉だそうですが、天気がいいせいか頗る繁昌しているので、混雑のなかを揉まれながら境内と境外を一巡して、電車通りの往来まで出て来ると、ここも露天で賑わっている。その人ごみの間で不意に声をかけられました。
「やあ、須田君。君も来ていたんですか。」
「やあ、あなたも御参詣ですか。」
「まあ、御参詣と言うべきでしょうね。