Clásicos japoneses con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lee 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 511.765 caracteres · 1011 pantallas
「ふム、ふム」
と、一同の目は、お時と宮内にあつまった。
「――たッた一つある手がかりは、その児の背なかに、お諏訪さまの禁厭というてすえた、大きな虫の灸のあとがあることだけです」
「なるほど、背なかにお諏訪さまの灸のあとがあれば、なんとか、いまに見つかるでしょう、あの灸点は甲府の近郷でやっているほか、あまり他の国にはあんな大きな灸は見ないからの」
「まア、力をおとしなさんな」
「坂東三十三ヵ所の功力でも、いまにきっと見つかりますよ」
と、郷土の人たちのことばは温かく、わずかな金をさいて合力したり、握り飯をとって茶をついでくれたりして、なぐさめてくれているうちに、いつか話がそれて、だれも気がつかないすきまだった。
宮内にもだまって、巡礼のお時は、そこの軒下から走りだしていた。
そして、さきへひとごみを追いながら、せまい宿場の人ごみを縫ってゆく。
「あの子じゃないかしら?」
と、お時は、さきへゆくひとりの少年をつけてゆくのだった。
いつも、それではあとでがっかりするが、ちょうど思うころの年ごろの少年を見ると、お時は、どうしても、あとを追わずにはいられない。
「あの子かしら?」