Clásicos japoneses con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lee 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 410.131 caracteres · 824 pantallas
パナマ丸荷役が、つつがなく終ったことをよろこんだ大庭春吉は、永田杢次をはじめ、金五郎、松川源十、マン、その他、七八人の主だった部下を、自邸に、招待した。
「玉井が居らなんだら、どうなっとったか、わからん。玉井は、永田組だけじゃない、聯合組の大黒じゃ」
大庭は、そういって、しきりに、金五郎を賞揚した。
しかし、金五郎は、何故か、仏頂面をしていて、終始、憂鬱そうだった。
この宴席から、永田杢次は、いつの間にか、姿を消してしまった。
金五郎も、自宅に、「六ゾロの源」をはじめ、十人あまりの仲間を招いた。すき焼で、ささやかな犒いの宴を張った。
「みんなが、よくやってくれたので、どうにか、無事にすんだ、ほんとに、ありがとう」
金五郎は、そういい、座にいる大川時次郎の方を向いて、
「御苦労さん、あんたにも、一杯」
と、盃をさした。
「金さん」
と、もう、菊石面を真赤に染めている源十が、すこし、声を落した。
「なんじゃね?」
「角助が、右手の小指に繃帯しとるのを、見た者があるちゅうぞ。新しい繃帯で、石炭酸のにおいが、しよったちゅうけ、きっと、今度のしくじりで、小指を切って、ドテラ婆さんか、友田かに詫びを入れたんじゃよ」