Clásicos japoneses con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lee 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 410.131 caracteres · 824 pantallas
第二部
大都会
「これまでも大変じゃったけど、これからが、一層、大変よ」
「おれも、そう思うちょる」
大正三年四月一日、若松に、市制が布かれた。ときに、戸数六二五八、人口三七三九三。因みに、若松村が若松町になったのは、明治二十四年三月一日、戸数八八一、人口三一三一。明治五年には若松村は戸数二〇、人口五八〇の一漁村にすぎなかった。
市制施行祝典が盛大に催された。
玉井金五郎、三十五歳。
同マン、三十一歳。
同勝則、九歳。
第二部
大都会
「東京、……東京……」
急行列車は、プラット・フォームに入った。
乗客がぞろぞろ降りる。長旅の疲れを見せている誰の顔にも、ほっとした色があった。
若松市会議員の一行十人も、それぞれの荷物を持って、二等車から降りた。
金五郎は、二等車などに乗ったのは生まれてはじめてである。三等車だと、自分の家のようで気楽だが、二等車は身分ちがいの他人の屋敷にいるようで落ちつかない。しかし、今度の視察旅行は官費であるし、自分一人の勝手は許されなかった。
「井上君、くたぶれたろう?」
隣りを歩く井上安五郎に、声をかけた。安五郎は、瀟洒な洋服姿で、赤い革カバンを下げている。