Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lee 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 410.131 caracteres · 824 pantallas
振子は、金メッキされて居り、透かし彫りにした朝顔が、その肩のところに花を開いている。「精工舎製」の四字が、時計の中に見える。
振子が止まらないように注意して、金五郎は、ゆるやかに、時計を廻転させた。裏に、肉太の字で書かれてある自分の字を、読んだ。
新仲町玉井組
明治三十九年四月二日求之
本品ハ請負業開業記念トシテ
愛智時計店ヨリ買収セリ
一金四円七拾銭也
営業開始ハ二月十九日
金五郎は、微笑した。この時計は、マンと二人で、買いに出たのだが、そのとき、店先で、夫婦間に、口喧嘩が出来たのである。
「あなた、こんな高い時計、あたしたちには、贅沢すぎますよ。こっちの安い方で、ええわ」
「馬鹿をいうな。玉井組の記念じゃけ。思いきって張りこむんじゃ。どうせ、今、お前の腹の中に居る子が、男じゃったら、跡継ぎをさせにゃならん。そのときに、安物じゃったら痛んでしまう。これなら、末代物じゃよ。こういうことには、けちけちせんものじゃ」
「けちけちするわけじゃないけど、……四円七拾銭ものお金、どこから出るの?」
「働いて、ひねりだす。一層、励みが出るじゃないか」
「ごりょんさん」と、愛智時計屋が、笑いながら、「心配しなさんな。