Clásicos japoneses con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lee 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 410.131 caracteres · 824 pantallas
どうも、君はおかしいなあ。それは危険思想ちゅうもんじゃよ。君は、社会主義者と違うか?」
「とんでもない。私は、ただ、仲仕の立場として、実際の問題を考えているだけです」
「君が組合を作るちゅうのを、おれが止めるわけにもいかんが、おれの共働組だけは、そんな義理知らずの組合なんかには、絶対、入らせんから、そのつもりで居ってくれ」
一芸廻しがつづいている。ドテラ婆さんが、例の「若松名所を知らない人に」を歌って踊ったり、江崎満吉が、浪花節をうなったり、大庭春吉が、「カッポレ」を踊ったり、無口で有名な岡部亭蔵が、しぶい声で、端唄をうたったり、花田準造が、剣舞をしたり、――一座は、三味、太鼓入りで、賑やかなので、友田喜造と玉井金五郎との話は、まわりにいる数人にしか聞えない。
森新之助だけが、すこし離れた別の列中から、気づかわしげに、全身を耳にして、二人の会話に、注意していた。
(金さんも、あまり抗わずに、ええ加減にしとけばええのに……)
正しいと信じたことには、火が降って来ても、矢玉が飛んで来ても、避けようとしない親友の気質をよく知っていながら、新之助は、その融通のきかなさが、腹立たしくもあるのであった。