Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 143.455 caracteres · 290 pantallas

Aozora Bunko

二

「ハ、ハイ」

居眠りでもしていたらしい、下女のお駒は、手燭を持って飛込んで来ましたが、その時はもう、何もかも済んでおりました。お市はすっかりこと切れて、三十女の豊満な肉体を、浅ましく歪めたまま夫の膝に抱き上げられ、越後者の、身体だけは丈夫そうな下女のお駒は、手燭を持ったまま、ガタガタ顫えているのでした。

二

「八、こういうわけだ。石原の兄哥の縄張だが、利助兄哥はあのとおり身体が悪くて、娘のお品さんが代って仕事をしている有様だから、どうすることも出来ない。それに、越後屋佐吉という人が自分でやって来て、相手が人間だか化け物だか知らないが、あんまり人を馬鹿にしたやり口だから、何とでもして女房の讐を討ってくれという頼みだ」

捕物名人銭形の平次は、子分の八五郎――一名ガラッ八へ妙にしんみりした調子で話して聞かせました。

少し人間は半間ですが、案外鼻の利く八五郎に、少しでも事件を扱わせて、行く行く立派な御用聞に仕立ててやろうという平次の腹でしょう。

「親分、大変面白そうだが、下手人は一体何でしょう」

「それが解らない」

「鎌鼬か何かじゃありませんか」

小さい旋風が空中に真空の場所を作るために、そこへ行合わせた人の皮肉を破って、体内の空気が出ることがあるのを、昔は鎌鼬または神逢太刀と言って恐れたものです。