Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 143.455 caracteres · 290 pantallas
この通りでございます」
源助は、何やら書いたものを差出します。半紙を縦二つ折にして、それに二十五六人ほどの名前を書き、その下にいちいち証人の名を挙げて、夕方から夜明けまでの居所を認めておりますが、それを見ると、一人も家を外にした者はありません。
「たいそう行届いたことだね番頭さん、いやこうして下さるとこちとらは大助かりさ、――いの一番は支配人の源助さんで、酉刻半(七時)から朝まで間違いもなく店に居なすったことになる。それから二番番頭の伊之助さん、時松さん、丁稚、小僧さんから若い衆まで、一人も家を空けた者がないとは堅いことだね、いや大店の躾はさすがに恐れ入ったものだ、――ところで、たいそう見事な筆蹟だが、誰が書きなすったのだえ」
「伊之助でございます」
源助のそう言うのを聞いて、二番番頭の伊之助は、前額の禿げたところを押えてヒョイとお辞儀をしました。
「いい筆蹟だね、材木屋の番頭さんにはもったいないくらいのものだ」
「親分さん、ご冗談を」
「ところで源助さん、あの釣台を担いで谷中へ行った人足の名前がここにはないようだが、解っているだろうね」
「ヘエ、皆出入りの者ばかりで、よく解っております」